断乳/卒乳ケア

港助産院

断乳・卒乳のはなし

断乳の定義

断乳とは・・・

何かしらの理由で、突然母親から授乳をやめること。やめた後の搾乳回数は、母親が快適に感じることを目安に決め、徐々に搾乳回数を減らしていく。

卒乳の定義

卒乳とは・・・

卒乳にも様々な方法がある。
 

「部分的卒乳」

・授乳回数を減らし、月齢によって代わりの栄養や水分を与える。
・母親が授乳をしたい時間帯のみ母乳育児を続け、それ以外の時はミルクか離乳食等で代用する。
例)
「昼間は子どもを預けているので、夜だけ授乳をあげている。」
「夜は休みたいので、昼間だけ授乳をあげている。」
 

「計画的卒乳」

医学的な理由や諸事情で、ある時期までに母乳をやめる必要がある場合、その日に向けて計画的に徐々に授乳をやめていくこと。
例)
「5月に手術があり、手術後は薬の投与が始まって授乳ができなくなるので、それまでに母乳を終わらせたい。」
「仕事や個人的な理由で再来月には母乳を終わりにしたいから、その日に向けて授乳間隔と1回の授乳量を減らし始めている。」
 

「自然卒乳」

子どもが自然に母乳をほしがらなくなるまで授乳を続けること。子どもには個人差があるので、それぞれのペースで成長し、心身ともに準備ができたときに子ども自ら母乳をやめていく。

断乳・卒乳の適切な時期

断乳・卒乳の時期には「これが正しい」「間違っている」といった明確な基準がない。子どもとの母乳育児をいつやめるかを選択するのは母親自身であるため、「〜歳までに卒乳するとよい。」「〜歳まで母乳は続けるべきだ。」といった情報を鵜呑みにする必要はない。
つまり母親(または子ども)が母乳をやめることを選択したとき(時期がきたとき)が、断乳・卒乳の時期である。授乳期間が長いから偉いわけではなく、子育てそのもの(子を大切に思う気持ち)」が最も大切で価値のあること。
他人との比較はせず、我が子のニーズと自分のニーズに耳を傾けて、自分なりの選択を認めてあげることが大切。
 

断乳の時期

諸事情で、ある日突然母乳をやめることが急に決まったときが、断乳の時期。
断乳の理由は様々なので、これといった時期はない。
(急な断乳は母子ともに負担がかかるので、必要時は専門者に相談すると良い。)
▶︎急な断乳ケアのご依頼はこちらからから
 

卒乳の時期

「部分的卒乳」

・月齢に応じた栄養素や水分(ミルクや離乳食)を、哺乳瓶や食器等で必要量とれていることが前提。
・母親が心地よく楽しめる範囲内で授乳を続け、不快な部分や置かれた状況によって続けるのが難しい部分を減らしていくため、これといった時期はない。
・授乳間隔をあけ、授乳回数を減らしていくことで徐々に母乳がつくられなくなり、母乳分泌量も減っていく。完全に母乳がでなくなるまでの期間は個人差がある。
 

「計画的卒乳」

諸事情で、ある時期までに母乳をやめる必要があることが分かったら、その日に向けて計画的に徐々に授乳回数や1回の授乳量を減らしていく。
卒乳の理由は様々なので、卒乳の時期は母親が決める。
▶︎計画的卒乳ケアのご依頼はこちら
 

「自然卒乳」

子どもが自然に母乳をほしがらなくなるまで授乳を続けること。子どもには個人差があるので、それぞれのペースで成長し、心身ともに準備ができたときに子ども自ら母乳をやめていく。
Margaret MeadとNiles Newtonの調査(1967)によると、ヒトが完全に母乳を飲まなくなると思われる時期を、ヒトの体重の増加や永久歯の萌出時期や、免疫学などの視点から統合して、3〜7歳と述べている。
世界的な母乳育児の平均的な期間は2〜4年である。
※あくまでも卒乳のタイミングは個人差があるため、平均的な期間や他人の卒乳時期を比較する必要はない。

断乳開始前の注意点

・断乳・卒乳の日に向けて徐々に授乳間隔・回数をあける

ある日突然母乳を急にやめてしまうと、乳房内に乳汁が過剰にうっ滞し、強い緊満や痛みが生じる。悪化すると乳腺炎や乳腺潰瘍に移行するリスクも上昇する。故に「断乳する日」に備えて、数ヶ月前から授乳回数や1回の授乳量を徐々に減らしていくことが望ましい。
授乳回数や1回量を徐々に減らしていくことで、断乳時の過剰な病的うっ滞や身体的苦痛を軽減することができる。
しかし何かしらの利用で、急に断乳・卒乳が必要になった場合は、適宜軽く搾乳を行いながら合併症予防を行う。
(※突然の「断乳」が避けられない場合や、急な「断乳ケア」のご相談も承っているので、お気軽にご相談ください。▶︎こちら
 

・体調不良時や乳房トラブルがある時は無理しない

体調が優れない時や、寝不足・ストレス等で生活リズムが崩れている時は免疫力も低下しており、乳房トラブルを合併しやすい。
また乳房トラブルがある状態で断乳・卒乳をはじめると、トラブルが悪化して医療的介入が必要になるケースがある。
無理のないスケジュールをくみ、トラブルの発症・悪化を防ぐ。
 

・赤ちゃんの栄養状況について

離乳食開始前:哺乳瓶を使ってミルクを必要量飲むことができる。(母親からの直接授乳は飲むが、哺乳瓶では嫌がって飲むことを拒絶する赤ちゃんがいるため)
離乳食期:離乳食で必要な栄養がとれている。体重の増加量も問題なく、水分も母乳以外のもので補えている。

断乳・卒乳の正しい方法

下記の断乳・卒乳の方法は、あくまでも「一例」。個々の胸の状況によって搾乳の間隔や方法は異なるため、下記の方法が必ずしも正しいとは限らない。
 

断乳の方法

諸事情で、ある日突然母乳をやめることが急に決まったら、直接授乳を中断し、搾乳手技で適宜排乳していく。
搾乳したぶん乳汁が産生されるので、搾乳はしすぎないよう気をつける。
目安としては、乳房緊満に苦痛を生じたら、無理に我慢をせずに軽く(少し楽になる程度)搾乳を行う。
※搾乳方法は後述
 

【断乳ケアのスケジュール(一例)】

※断乳ケアとは、断乳の経過途中で乳房トラブルがないか確認し、搾乳をして乳汁うっ滞を緩和させる乳房マッサージのこと。
断乳開始日を1日目とし、2〜3日目に1回目の断乳ケア(自分で行うか、助産師に依頼)を行う。初回でしっかり排乳することで、お胸がとても楽になるので初回ケア1回で終了する人もいる。分泌過多者や希望者は、その後5〜7日目に2回目の断乳ケア(自分で行うか、助産師に依頼)。そしてその後は、張りや分泌状況に応じて経過を見ていく。個人差はあるが、計1〜3回のケアで大抵は終了する。
 
▶︎断乳ケアのご依頼はこちらから
 

【断乳時の搾乳の方法】

搾乳方法は、主に下記の方法(1)(2)がある。
 
(1)乳輪(乳首の付け根から指2〜3本分はなれた場所)を指の腹全体をつかってささえる。指先だけに力をいれずに、指の広い面積を用いて(指の腹と腹を合わせるような感覚で)搾乳を行う。この際、力をいれすぎると乳腺を傷つけてしまうため、無理のない力加減で行う。
胸のつけ根(基底部)は極力動かさず、まずは乳輪の浮腫をとりのぞくことが大切。
断乳マッサージをする際は、極力搾乳器を使わずに手搾りを推奨する。
自分でうまく搾乳できない場合は、専門者に相談する(▶︎ご予約フォーム)。
 
(2)乳頭には触れずに、乳房の付け根(基底部)のみ動かす方法。
俗に言う「おにぎり絞り」という方法だが、乳房の緊満が強く乳首が浮腫んでいる場合はうっ滞が悪化して、逆効果になる場合が多い。乳汁が外に排乳されていないと意味がない為、おにぎり絞りは個人的には推奨していない。(1)の方法に変えるか、専門者に相談する。また乳首にトラブル(乳腺詰まりや乳口炎)がある際は、おにぎり絞りだけでは治りにくい。
 

卒乳の方法

「部分的卒乳の方法」

母親が心地よく楽しめる範囲内で授乳を続け、不快な部分や置かれた状況によって続けるのが難しい部分を減らしていく。
授乳間隔を急に極端にあけてしまうと乳房トラブルの原因になるため、徐々に減らしていく必要がある。
(例)仕事復帰も母乳を続けるAさん
「仕事中は搾乳できないから、仕事に行く前と帰宅してから授乳をしたい。仕事復帰の日に向けて、今のうちから日中の授乳間隔を徐々にあけている。仕事復帰後も母乳は続けていく予定。」
 

「計画的卒乳の方法」

「母乳をやめると決めた日」の数週間から数ヶ月前から、徐々に授乳回数と1回の授乳量を減らしていく。急に減らすと母子ともに負担になるため、乳房に負担のかからない範囲内で行う。
あえて「乳汁うっ滞状態」をつくり、乳汁産生量を減らしていく。この際、乳房緊満が強い場合は、一度搾乳を行う(自分で行うか専門者に依頼)。その後、数日後か数週間後に再度、断乳ケアを行い、乳房トラブルがないか確認する(自分で行うか専門者に依頼)。
計画的卒乳の途中で、乳腺炎などのトラブルが生じたら、そちらの治療を優先する。
 
▶︎卒乳ケアのご依頼はこちらから
 

「自然卒乳の方法」

最終的に子ども自ら母乳をのまなくなるまで母乳は続ける。子どもが自ら母乳をのまなくなった際には、無理やり飲ませる必要はない。
自然卒乳後、(1)乳汁分泌が持続(2)胸は張って痛い(3)部分的にしこりや圧痛が残る 等の症状があれば、適宜搾乳を行う。しこりや痛み、違和感等が気になる場合は専門者に相談する。

自己流で断乳する際の注意事項

・急激な断乳・卒乳

1日8〜10回ほど定期的に授乳をしていたのに、ある日突然母乳を急にやめてしまうと、乳房内に乳汁が過剰にうっ滞してしまう。その結果、胸に強い緊満や痛みが生じ、悪化すると乳腺炎や乳腺潰瘍に移行するリスクも上昇する。故に、「断乳する日」に備えて、数ヶ月前から(1)授乳間隔を少しずつあける(2)1回の授乳時間を短くする等を計画的に行い、乳汁分泌生成量を徐々に減らしていくことが望ましい。
授乳回数や1回量を減らしていくことで、乳汁産生抑制因子(FIL)が生成されて、母乳生成量も減ってくる。そのため、断乳時の過剰な病的うっ滞を防ぐことができる。
しかし何かしらの利用で、急に断乳・卒乳が必要になった場合は、断乳開始後2〜3日目にしっかり排乳して張りとしこりを取り除き、乳腺炎予防を行うことが望ましい。
(※突然の「断乳」が避けられない場合や、急な「断乳ケア」のご相談も承っているので、お気軽にご相談ください。▶︎こちら

・ブラジャーのサイズに気をつける

断乳・卒乳時には、乳房内に乳汁がうっ滞して、普段よりも胸のサイズが大きくなる傾向にある。
ブラジャーがきつくなったまま着用していると、胸が締め付けられて血液循環不良となる。
断乳・卒乳時のブラジャーは1サイズ大きめのものに変えると良い。

・水分の摂取について

水分制限の必要性はない。
しかし、糖分や乳脂肪分、塩分が多く含まれている飲み物は極力控える。

・搾乳方法について

インターネット上には「おにぎり絞り」という排乳方法が出回っているが、自己流に「おにぎり絞り」をした結果、うまく乳汁分泌(排乳)がされていない場合は逆効果である。また強い圧力で無理に搾乳を繰り返すことで、アザができたり乳腺が傷ついたりしてしまう。
うまく搾乳できない際は、母乳外来のある産院に相談する。
▶︎当院の断乳・卒乳ケア

よくある断乳・卒乳のトラブル

・乳房の張りすぎ

乳汁が乳房内に過剰にうっ帯し、乳房全体の緊満や疼痛を伴う。
過度の乳房緊満は、母親にとっては非常に苦痛であり、日常生活に支障をきたす。
両腕を上にあげたり、我が子を抱っこしたりすることができないほど胸が痛くなる。
なかには、乳房の違和感や痛みで眠れない人もいる。
 

※対策

このような状態の時には我慢しすぎず、断乳開始後2〜3日目にしっかり搾りきると楽になる。2〜3日目を待つまでの間、張りや痛みがつらければ、適宜軽く搾乳をしても問題はない。その際は「少し軽くなる程度」で搾乳を終える。
 

・乳腺炎

乳房の緊満や乳管の閉塞・つまりなどで生じる乳房内の炎症。
乳房を触ると圧痛や熱感、腫脹があり、38.5℃以上の高熱・悪寒・全身の関節痛を伴う。
乳腺炎を放置したまま断乳を継続すると、乳房潰瘍(後述)に移行して医療的介入が必要になる可能性もあるため、断乳よりも乳腺炎の治療を優先にする。
 

※対策

乳腺炎治療を優先し、完治した後に断乳ケアを再開する。
 

・乳房潰瘍

乳腺炎症状を放置して適切な処置を行わずに悪化した場合、潰瘍が形成されるケースがある。
胸の一部が腫脹して赤くなり、触ると波動が触れてブヨブヨした触感がある。
 

※対策

医師が超音波診断で潰瘍の状態を確認したうえで、下記の何れかの処置を行う。
(1)針で穿刺して排膿(2)胸を切開して排膿(3)その他(点滴など)
尚、処置の後も抗生剤の点滴・内服や、切開創の確認・消毒の為に、継続して受診をする必要がある。
 

・精神不安定

母乳をやめると、母乳育児中に分泌されていた「プロラクチン」「オキシトシン」というホルモンの分泌量が減る。
ホルモンバランスが突然に変化(減少)するため、精神状態が不安定になりやすい。
感情コントロールができずに情緒が不安定になったり、抑うつ状態になりやすい。
 

※対策

ホルモンバランスの急激な変動によるものなので、症状は一過性であることが多い。
自分1人で抱え込まずに、家族に相談・協力を求める。

断乳ケアをプロに任せるメリット

・個別性重視のさまざまな「卒乳」の選択肢の提示

断乳・卒乳ケアも様々な方法(部分的卒乳・急激な卒乳・計画的卒乳・自然卒乳など)があり、個々の胸の状態や要望に応じて柔軟な対応が可能。
どのような選択肢があるのか共に話し合い、その選択肢に対する不安や後悔が解消する。

・乳房トラブルの予防

自己流に間違った方法で断乳・卒乳ケアをすることで、まれに乳腺炎や乳房潰瘍などを合併し、医療的介入が必要になってくるケースもある。
悪化すると乳房切開や点滴治療が必要になる場合もある。
このようなトラブルを予防するためにも、個々の乳房の状態に応じた適切な対応が必要。

・搾乳の負担が減る

断乳・卒乳ケア時にうっ滞した乳汁を搾乳するのにもコツが必要。
自分でうまく搾乳できない場合は、搾乳手技に時間がかかって適切な排乳ができていない傾向にある。
 

・適切な搾乳手技

ただ搾乳するだけではなく、断乳トラブルにならないように「圧力」「指圧ポイント」「リズム」「時間」等に配慮した施術を行う。
そのため、乳房トラブルを予防することができる。

当院の断乳/卒乳ケアの特徴

港助産院

断乳・卒乳の時期や理由にこだわらずに、母親の意志やニーズを尊重した心身の負担が少ない断乳・卒乳ケアを心がけています。
急なご依頼にも可能な限り対応致しますので、お気軽にご相談ください。
施術回数もご希望に応じます。
直接ご自宅に訪問致しますので、お子様を預ける必要もありません

 

1. 電話かメールで事前無料相談可
2. 様々な事情に対応。
3. 急なご依頼にも対応(直前・当日)。
4. 痛みの少ないマッサージ。
5. 過去の断乳ケアでトラブルなし。
6. 直接ご自宅に訪問。
7. 子どもを預けなくても可能。

断乳ケアのスケジュール

方法
・断乳ケア(排乳マッサージ)は、計1〜3回の助産師訪問で終了します。
・排乳マッサージの回数や間隔はお胸の状態により異なります。
・断乳開始後約1ヶ月弱で断乳は完了します。
・下記スケジュールはあくまでも目安です。
港区 助産院 母乳
 
※2回目以降のケアや終了時のチェックのみのご依頼も承っています。

出張対応地域

断乳/卒乳
東京都

港区・渋谷区・目黒区・品川区

中央区・千代田区・新宿区・世田谷区

神奈川県

(※以下の駅から20分以内)

横浜駅・戸塚駅・鎌倉駅・藤沢駅・大船駅

施術料金

断乳/卒乳
母乳育児相談料

1回(60〜90分):8,000円

※税込・延長料金なし

※交通費は以下参照

交通費(追加料金)

無料東京(港区/渋谷区/目黒区/品川区)

無料:神奈川(鎌倉駅/大船駅/藤沢駅)

1,000円:東京(新宿区/中央区/千代田区/世田谷区)

1,000円:神奈川(横浜駅/戸塚駅)

ご予約

断乳/卒乳

 

港助産院(港区南青山)
TEL:03-6868-4649
MAIL:forbaby@minato-josan.jp
港助産院へのお問い合わせ
 

東京都港区・渋谷区・目黒区・品川区以外にお住まいの方でも、助産院(港区)の近隣であれば母乳相談・沐浴ケアを提供できる場合があります。母乳相談(乳腺炎・白斑・断乳・卒乳・しこり・乳頭痛など)や沐浴の依頼がありましたら、助産院(港区)にご相談下さい。
また渋谷で開催中の東京マタニティスクール(母親学級・両親学級)は、別途WEBサイトをご覧ください。